【国税】換価の猶予とは

 

換価の猶予とは、法人税や消費税といった国税を一度に納付することによって、事業の継続・生活の維持を困難にする場合に、その換価につき猶予を受けるというものです。

換価の猶予の「換価」とは、国税を滞納した場合、税務署長等が滞納された国税を徴収するために滞納者の財産を差し押さえ、これを売却するなどして金銭に換えることを言います。換価の猶予の申請手続は、この換価について猶予を受けるための手続きです。

要件

① 納付すべき国税を一時に納付することにより、その事業の継続又は生活の維持を困難にする恐れがあると認められること。

② 滞納者が納税について誠実な意思を有すると認められること。

③ 滞納者から納付すべき国税の納期限から6月以内に換価の猶予の申請書が提出されていること。

④ 納付すべき国税について納税の猶予の適用を受けていないこと。

⑤ 原則として、換価の猶予の申請に係る国税以外の国税の滞納がないこと。

⑥ 原則として、換価の猶予の申請に係る国税の額に相当する担保の提供があること。以下のいずれかの場合には、担保を提供する必要はありません。

  • 猶予を受ける金額が 100 万円以下である場合
  • 猶予を受ける期間が3か月以内である場合
  • 担保を提供することができない特別の事情(国税通則法により提供することができることとされている担保の種類に該当するものがないなど)がある場合

効果

これらの要件を満たしますと、その国税につき換価の猶予を受けることができます。猶予期間は1年を限度として、「合理的かつ妥当な金額による分割納付」によって完済できる最短期間です。換価の猶予を受けた国税は、猶予期間中の各月に分割して納付することになります。

申請書を当該国税の法定納期限の前に提出した場合、猶予期間はその法定納期限の日の翌日から始まります。法定納期限を経過したのちに申請書を提出した場合はその提出した日になります。

申請書類

では、換価の猶予の申請手続についてみていきましょう。換価の猶予を受けるためには、猶予を受けようとする国税の納期限から6月以内に、管轄の税務署長に対して以下①②の書類を提出しなければなりません。

  ①換価の猶予申請書

  ②添付書類

    ・収支の明細書

    ・財産目録

    ・担保の提供に関し必要となる書類(担保を提供する場合)

猶予を受けようとする国税が100万円以下の場合、

   ①換価の猶予申請書

   ②添付書類

    ・財産収支状況書

    ・(担保を提供する場合)担保の提供に関し必要となる書類

まとめ

換価の猶予を受けることができれば、税金を1年の範囲内で分割して納付することができます。国税の納付にお困りの方は換価の猶予をご一考ください。