【はぐくみ基金】退職、休職、育児・介護休業時に受取れる

中小企業が退職金を払うために準備する手段としては、中小企業退職金共済制度、確定拠出年金、生命保険を活用した自社積立などが多いと思います。そんななか、加入事業者・加入者数が増加している新たな制度が「はぐくみ基金」です。

はぐくみ基金の概要とメリット・デメリット

はぐくみ基金とは2018年に発足した確定給付型の企業年金基金です。

前払い退職金制度と確定給付年金の組み合わせで、企業側の退職金の原資の準備が必要なく退職金制度が構築できます。

特徴
  • 元本保証あり
  • 退職時だけでなく、育児・介護休養時にも受取可能
  • 資産管理・運用は大手生命保険会社が担当
  • 掛金にまわす給与分には税金・社会保険料がかからない
  • 掛金は1,000円単位で選択可能(年2回掛金の金額変更可能)
  • 従業員だけでなく、役員も加入可能
  • スマートフォンやPCから掛金・積立額を確認可能

メリット

  1. 企業側の実質的な負担をおさえることができる
    中退共などの場合、毎月の掛金の支払いは企業側が負担するのに対して、はぐくみ基金では、前払い退職金制度という仕組みを設けているため、企業側の実質的な負担を抑えることが可能なのです。具体的には、現在の給与を減額することにより、この分の掛金を原資に充てています。加入対象者は、はぐくみ基金に加入しないという選択も可能です。加入しない場合、これまでと変わらず、選択支給分をそのまま給与として受取ることになります。
  2. 社会保険料の軽減
    前払い退職金制度により給与を掛金にまわすことで、社会保険の等級が下がれば、労使折半となっている会社負担分についても軽減されます。
  3. 公的年金控除を受けることができる
    退職時に一時金を受取った場合、退職金所得控除、20年以上勤務された方は年金として受取りが可能で公的年金控除を受けとることが可能です。
  4. 休職、育児・介護休業でも受取ることができる
    休職、育児・介護休業でも受取る場合には、一時所得となります。
  5. 役員も加入できる

デメリット

  1. 給付額軽減の可能性
    メリットとして社会保険料等の負担軽減をあげましたが、毎月納める社会保険料が低くなることで、将来受取る給付が少なくなる可能性もあります。雇用保険の失業給付は直近6ヵ月の給与額に応じて手当が支給されますが、この支給額にも影響が出る可能性があります。
  2. 掛金の積立て不足分を補填
    加入者の掛金は元本が保証されますが、給付時に掛金の積立て不足が発生してしまった場合、企業や事業主が不足分を補填する必要が生じる可能性があります。

比較

はぐくみ基金 中小企業退職金共済 企業型DC
任意加入 全員加入
加入年齢 70歳未満 制限なし 70歳未満
加入制限 役員も拠出可 役員不可 役員も拠出可
掛金拠出 1,000円~給与の20% 5,000円~30,000円 1,000円~55,000円
運用 基金が掛金を運用 機構が資産管理・運用 個人が掛金を運用
受給額 運用成績による変動なし 運用成績による変動なし 運用成績による変動あり
受取 方法 一時金または年金 一時金または分割払い 一時金または年金
条件 退職時、休職時、育児・介護休業時に受取可能 退職後に受取可能 原則60歳以上に制限

まとめ

ここまでご紹介させていただいたように、企業側、従業員側どちらにもメリットがある制度です。

既に退職金の準備をしている企業様も、起業をお考えの方も、福利厚生の強化として、はぐくみ基金の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

05/09/2023