4月からの新制度について【経営者保証、給与】
「経営者保証」と「給与」について制度の変更点があるので、この2つについて新制度をご紹介させていただきます。
経営者保証
中小企業が銀行で借入を行う場合、代表取締役(社長)が保証人になることが多いかと思います。
会社が借入の返済を行えなかった場合には、保証人個人に責任を追及され、自己破産に繋がる恐れがあります。そのため、経営者による事業展開や早期の事業再生、円滑な事業承継を妨げる要因にもなりえます。
そこで、金融庁が財務省および経済産業省と連携し、経営者保証改革プログラムを策定しました。具体的には下記のような内容で運用を開始します。
- 創業支援:令和5年3月~
創業5年以内の事業者の経営者保証を不要とする融資制度になります。事業者が0.2%の上乗せ保証料を負担することで、3,500万円まで全額保証、無担保で融資を受けることが可能です。金融公庫では「経営者保証免除特例制度」、民間金融機関では保証協会付き融資で取扱いが開始しております。 - 銀行への説明義務:令和5年4月~
民間金融機関に経営者保証の必要性についての説明義務が生じます。また、説明内容を記録して件数を金融庁に報告する必要があり、手続きが煩雑になるため安易な経営者保証付き融資を抑制することに期待を持てます。 - 創業以外の事業者:令和6年4月~
これまでは経営者保証を外すためには、「経営者保証ガイドライン」の3要件を満たす必要がありました。基準が曖昧な部分を含むため、要件を満たすことが難しかったのですが、令和6年4月以降は緩和されます。
給与
- 雇用保険料本人負担分 0.5% → 0.6%
会社負担分 0.85%→ 0.95%
コロナ禍での雇用調整助成金の支給により、財源が不足してしまったため、雇用保険料が再び引き上げられる形となりました。 - 割増賃金1ヶ月の残業時間が60時間を超えている場合、超えた部分は50%以上の割増が必要になるのですが、これは大企業限定の事でした。令和5年4月からは中小企業にも適用されるため注意が必要です。
時間外手当 → 25%
深夜労働 → 35%
休日労働 → 35%
1ヶ月の労働時間が60時間超えた部分 → 50%
まとめ
ここまで簡単にではございますが、令和5年4月から変更されていく制度について、いくつかご紹介致しました。皆さんも改めてご確認頂ければと思います。
04/20/2023