【電子帳簿保存法】スキャナ保存の要件見直し

令和5年度税制改正でスキャナ保存について見直しがされ、要件が一部緩和されました。

スキャナ保存の要件変更点

  1. 「解像度・階調・大きさに関する情報の保存」が不要になりました。
  2. 「国税関係書類に係る記録事項の入力を⾏う者又はその者を直接監督する者に関する情報の確認要件」が不要になりました。
  3. 「帳簿との相互関連性の確保が必要な書類」が「重要書類*」に限定されました。

*書類の区分
重要書類:資金や物の流れに直結・連動する書類(契約書・納品書・請求書・領収書など)
一般書類:資金や物の流れに直結・連動しない書類(見積書・注文書・検収書など)

スキャナ保存の主な要件

入力期間の制限 規程を定めていれば、国税関係書類に係る記録事項の入力業務に係る通常の期間(最長2か月)+おおむね7営業日以内
スキャンの解像度等
  • 解像度が200dpi相当以上であること
  • 256階調以上であること
タイムスタンプ タイムスタンプの付与またはそれに代替するシステムを使用すること
バージョン管理 訂正又は削除をした場合の確認ができるか、訂正又は削除のできない電子計算機処理システムを使用すること
帳簿との相互関連性 スキャンした国税関係書類に係る記録事項と、国税関係帳簿の記録事項との相互関連性が確認できるようにすること(重要書類のみ)
見読可能装置の備付 一定水準以上のディスプレイ、プリンタ、操作説明書、概要書等を備え付け、拡大・縮小等の一定の条件で速やかに出力できるようにすること
検索機能の確保 取引年月日等の日付、取引金額、取引先等を指定して検索できるようにすること

まとめ

スキャナ保存の導入にあたっては、市販のソフトウェアやソフトウェアサービスが電子帳簿保存法の要件を満たしていることを認証するJIIMA認証制度というものがありますので、この認証を受けた製品を使用することも有効と考えられます。

必要な機能やコスト等を検討の上、自社に適したサービスを検討してみてください。

05/10/2023