【節税効果】一括償却資産について
今回は少額減価償却資産*の減価償却の方法の中から、「一括償却資産」についてご紹介していきます。
*少額減価償却資産とは…
法人が取得した少額の減価償却資産について、この減価償却資産を事業の用に供した事業年度において、取得価額に相当する金額を損金経理した場合、その損金経理をした金額は、損金の額に算入されます。
引用:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/tax(令和5年5月16日時点)
一括償却資産の対象
対象になる資産は、取得価額が10万円以上20万円未満のものです。法定耐用年数にかかわらず、3年にわたって均等償却することができます。
メリット
- 法定耐用年数より短期間で減価償却できる
- 20万円未満の固定資産の殆どは、耐用年数が3年越えです。
- 短期間の経費化が可能になります。
- 資産の合計額を3等分するため、個別の資産管理が不要になる
- 月割計算も不要のため計算が簡単になります。
- 償却資産税が課税されない
- 適用条件がない
※確定申告時に法人税申告書別表十六(八)「一括償却資産の損金算入に関する明細書」で申告する必要あり
デメリット
- 短期間で減価償却できるため、赤字であればマイナスを大きくしてしまう
- 個別の資産管理が不要なため、個別の売却・除却・廃棄処理ができない(3年間の減価償却が継続されます)
その他の少額の原価償却方法
少額の原価償却資産 | 少額減価償却資産の特例 | 一括償却資産 | |
対象者 | 全ての会社 | 中小企業等*1 | 全ての会社 |
取得価額 | 10万円未満 | 30万円未満 | 20万円未満 |
償却方法 | 即時償却 | 即時償却*2 | 3年間均等償却 |
償却資産税 | 課税なし | 課税あり | 課税なし |
*1 青色申告を提出する、資本金又は出資金の額が1億円以下の法人等または常時使用する従業員数が1,000人以下の個人
*2 事業年度中に購入した、少額減価償却資産の合計額300万円までが限度
まとめ
一括償却資産は通常の減価償却資産と選択適用が可能です。固定資産の取得時には自社にあった適切な処理が大切です。制度の概要をよく理解し、節税またはキャッシュフローの改善に活用していきましょう。
05/16/2023