製造業の税務の注意事項

製造業にとっては、期末の在庫(棚卸資産)の評価が税務上、注意が必要になります。

在庫(棚卸資産)=単価×数量で計算されます。

数量に関しては、実地棚卸をすれば確定することができます。そこで問題になるのが単価金額をいくらにするかです。

1つ、1つの仕入れ単価にもとづいて計算すればいいじゃないか?と思ったかもしれませが、仕入価格は、製造業の場合、部品の発注数量や、市況によって仕入価格が変動します。

部品点数が多いと、すべての仕入価格を把握するのも大変です。

そこで税法では以下の方法が定められております。何も届出を提出しないと6の最終仕入原価法が原則になります。その他の会社に適した方法を選択するには税務署に届出が必要になりますので、届出の提出を忘れないように気を付けてください。

  1. 個別法
    個々の商品ごとの取得価額で評価する方法で、商品ごとに規格の異なるものの評価に適している。
  2. 先入先出法
    先に仕入れた商品を先に払い出したものとして残った商品の価格を計算する方法。
  3. 総平均法
    計算期間中の加重平均した単価で商品の価格を計算する方法。
  4. 移動平均法
    商品仕入れの都度、平均単価を求める方法
  5. 単純平均法
    計算期間中の平均した単価で商品の価格を計算する方法。4が加重平均に対し6は仕入数量に関係なく平均単価を求めることが異なる。
  6. 最終仕入原価法
    期末に最も近い日に仕入れた単価で計算する方法。
  7. 売価還元法
    売価で商品等の価額を計算し、期間の原価率を掛けて原価に戻す方法。原価計算を行っていない製造業では比較的簡便に価額を算定できる。