自己株式の取得
自己株式はご存じでしょうか。
自己株式とは自社が発行している株式を自社で保有している株式のことをいいます。
金庫株ともよく呼ばれています。
では自己株式の取得とはどのような行為でしょうか。
それは自社が発行した株式を他の株主から買い戻す行為をいいます。
会計や税務上どのような影響があるのでしょうか。
まず会計面への影響は、自己株式を取得すると自己株式の取得相当額の資産が減少します。
自己株式は、貸借対照表の純資産の部に株主資本の控除項目として計上されますので、損益には影響はありません。
次に税務面への影響は税務上の純資産をマイナスして処理します。
ここで注意しなければいけないのが、「配当とみなす部分」と「株式の譲渡とみなす部分」に区分しなければいけません。
「配当とみなす部分」は利益積立金額の減額として、「株式の譲渡とみなす部分」は資本金等の額をマイナスする処理を行います。
「配当とみなす部分」は、20.42%の源泉徴収が必要となります。
自己株式を取得した月の翌月10日までに、徴収した源泉所得税を納付する必要があります。
株主の方は翌年に確定申告で配当所得の申告の必要がありますので忘れないようご注意ください。